振動式粘度計の測定原理とは

さまざまな業界の生産ラインにおいて液体粘度を素早く正確に把握することは、そのプロセスの効率化や省力化につながるため非常に重要な技術と言えます。一方で、そのような粘度を測定するのに使用できる粘度計にはさまざまな種類が存在します。
その中のひとつである「振動式粘度計」は、その名の通り液体中で振動片を振動させ、その際に受ける粘性抵抗を測定することで粘度を求める粘度計です。なお、その構造は振動駆動と検出を磁力によって行う部分を基本としています。そしてその振動片の一方に永久磁石を固定し、これに磁気結合した駆動用と検出用の2このコイルを本体側に固定し、検出コイルからの信号を増幅して駆動コイルに供給することで精度を確保しています。その際、振動片のもう片方側が測定物に触れることのない自由な状態で振幅するのに対してプロセス側について測定物に充たされたことに由来した拘束力が生じたうえでの振幅となるため、その両者の関係から粘度を求めることができます。

振動式粘度計の特徴とは

このようなシンプルな原理で粘度を測る振動式粘度計ゆえ、その測定にあたっては使用温度範囲が非常に広いという特徴があります。その詳細は使用する機器にもよりますが、ものによってはマイナス200度から600度にいたる広範囲の液体粘度を測れます。また、その構造自体もシンプルなものになっているため、形状寸法の自由度が高く現場に最適なセンサで粘度計を作れる自由度の高さも魅力です。
さらに、その測定原理上低粘度から高粘度まで幅広いレンジの測定が行えるよう設計粘度範囲を自由に選択することもかのうです。そのほかにも構造がシンプルなものになっているがゆえに、測定時に外乱に影響されにくく正確な測定を行えるうえに耐久性に優れているという点、さらにメンテナンスを求められる回数が圧倒的に少ない点なども振動式粘度計の大きな魅力と言えます。この事実は運転経費の削減にもつながるため製造現場でその存在は重宝されています。

まとめ

液体粘度の正確な把握は、製造現場において非常に重要な技術です。その測定を行える粘度計にはさまざまな種類があり、その中のひとつに「振動式粘度計」があります。そんな振動式粘度計の測定原理の最大の特徴は、シンプルさにあります。そしてその原理のシンプルさゆえの使い勝手の良さが、振動式粘度計の大きな魅力と言えます。また、構造自体もシンプルなものになっているので、そのシンプルさに由来したさまざまなメリットがある点も特徴です。